大判例

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東京地方裁判所 昭和53年(ワ)8889号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【主文】一1 被告は別紙目録1、2表示の図絵を付した腕時計を製造し、販売してはならない。

2 被告は原告に対し、金六〇万円及びこれに対する昭和五三年九月二一日から支払済みまで年五分の割合による金員の支払をせよ。

二 訴訟費用は被告の負担とする。

三 この判決は仮に執行することができる。

【判旨】

〔自白とみなされた請求の原因〕

一原告は、著作権、商標権の管理等を業とする米国籍の会社であつて、米国籍を有する漫画家チヤールズ・エム・シユルツの著作にかかる、「ピーナツツ」と題する発行済みの漫画(以下、「本件漫画」という。)につき著作権を有するものである。

ちなみに、本件漫画は、愛らしい小犬として特に親しまれている主人公「スヌーピー」のほか、「ライナス」、「チヤーリー・ブラウン」、「ルーシー」、「ペパミント・パテイ」「ウツドストツク」等のキヤラクターが登場する一回分四こまないしそれ以上のこま数からなる連載漫画である。

二被告は、時計、貴金属、日用雑貨品、レコード、ミユージツク・テープ、タバコの販売等を業とする会社であるが、遅くとも昭和五一年一〇月頃から別紙目録1、2表示の図絵を文字盤に描出した腕時計を製造し、販売している。

三被告がその製造、販売する腕時計の文字盤に別紙目録1、2表示の図絵を描出する行為は、原告が本件漫画について有する著作権(複製権)を侵害するものである。

すなわち、被告の右行為は、原告に無断で本件漫画のキヤラクターを利用し、有形的に再製するものだからである。

四被告は、前項の行為が原告の著作権を侵害するものであることを知り、又は知りえたにもかかわらず過失によつてこれを知らないで、遅くとも昭和五一年一〇月頃から現在(本訴提起の日である昭和五三年九月一一日)に至るまで右行為を継続したものであるから、原告が右行為によつて蒙つた損害を賠償する義務がある。

五原告は、被告の前記侵害行為によつて、著作権の行使につき通常受けるべき金銭の額に相当する額の損害を受けたというべきところ、その額は次のとおりである。

すなわち、本件漫画の通常の使用料率としては、商品の小売価格の一〇パーセントが相当であるところ、被告は、前項の期間内に前述の腕時計を、一個当たりの平均小売価格金一八〇〇円で、一か月平均一五〇個、合計三四五〇個製造、販売したものと考えられるので、その総売上高は金六二一円であり、したがつて、右売上高に前述の使用料率一〇パーセントを乗じて得た金六二万一〇〇〇円が原告の蒙つた損害となる。

(秋吉稔弘 佐久間重吉 安倉孝弘)

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